麗しのベルサイユ宮殿:ツアー情報・行き方・開館時間まとめ
パリからベルサイユ宮殿を訪れるなら、絵画のように美しい宮殿や庭園を存分に満喫するためにも、まずはしっかり計画を立てましょう。ベルサイユはフランスでも指折りの観光名所であり、その歴史や文化が人気を集めています。とりわけ、世界で最も豪奢な宮殿の1つと言われるベルサイユ宮殿は、UNESCOの世界遺産にも登録されています。印象的な鏡の回廊や華やかなロイヤルオペラなど、ベルサイユにはパリ旅行のハイライトとも言うべき名所が揃っています。宮殿では2時間から4時間ほどのツアーも用意されていますが、宮殿内のほとんどの場所は自由に見学できます。
ベルサイユ宮殿の概要
ルーブル美術館やエッフェル塔とともに、北フランスで観光客の人気を集めるベルサイユ宮殿。毎年700万人以上の人々が訪れる絢爛華麗なベルサイユ宮殿はパリの西部に位置し、パリ中心部からわずか24キロという近さにあります。富裕の象徴でもあり、時には王室の軽佻浮薄さや退廃性を示すとも言われるこの宮殿には、フランス王ルイ14世に関する数多くの逸話が残されています。ルイ14世による幾度もの改装を経て豪華さを増した宮殿は、後に王位を剥奪されたルイ16世や、その王妃マリー・アントワネットなど、フランスの歴代国王たちの住まいとなりました。
フランス語ではシャトー ド ベルサイユと呼ばれるこの宮殿は、庭園も含めると800ヘクタールという広さを持ちます。また、訪問者の多くは、ルイ14世治世下に宮殿の一部として使用され、現在では独立した観光スポットとなっているトリアノンにも足を運びます。かつてフランスにおける権力の象徴だったベルサイユ宮殿は、今日では博物館としてフランスの歴史を後世に伝える役目を担っています。ベルサイユ宮殿を訪れたら、美しいシャンデリアが印象的な鏡の回廊、ロイヤルオペラ、マーブルコート、礼拝堂をはじめ、噴水や彫像、植物で彩られた庭園をじっくり見学しましょう。
ベルサイユの歴史
その昔、ベルサイユには小さな村や教会しかありませんでしたが、1589年にフランス国王のアンリ4世がこの地域を訪問し、その後も何度か動物たちが豊富にいるベルサイユで狩りを楽しみました。そして、彼の息子もベルサイユでの狩りを気に入り、即位後に狩猟小屋を建てました。ちなみに現在のマーブルコートは、ルイ13世によって、もともとその狩猟小屋があった場所に作られました。その後、国王は政治的かつ個人的な理由により狩猟小屋を宮殿に建て直すことを決断し、1634年に宮殿が完成しました。
1661年、国王ルイ14世は自身の娯楽のため、そしてせわしないパリから逃れて休息するため、宮殿とその一体の大幅な増改築を決意。その後、ルイ14世はフランス政府と裁判所をベルサイユの地へ移転させました。宮殿内の鏡の回廊を建設したのもルイ14世であると言われています。なお、ロイヤルオペラを作ったのはルイ15世です。
ベルサイユ宮殿を住まいとした最後の王族となったのが、ルイ16世とマリー・アントワネットです。アントワネットは、夫から与えられた小トリアノン宮殿を何度も改装し、庭園に村里まで作りました。現在、この庭園は王妃の村里として知られています。その後のフランス革命で夫婦はベルサイユ宮殿を追われ、最後は処刑されてしまいます。以来、ナポレオン・ボナパルトを含むその後の国王たちは、ベルサイユ宮殿の改築に多額の費用がかかるという理由から宮殿に住むことはありませんでした。時を経て、ベルサイユ宮殿は博物館として生まれ変わったのです。
ベルサイユ宮殿のハイライト
ベルサイユの魅力を満喫するには1日以上の滞在がおすすめですが、時間が限られている場合は、絶対に見逃せない観光スポットだけはしっかりチェックしたいもの。ベルサイユ宮殿に到着したら、まずは宮殿と庭園の地図を手に入れて、ベルサイユ宮殿のハイライトとなる場所を確認しましょう。
鏡の回廊
ベルサイユ宮殿の全ての部屋の中で最も有名だと思われるのが、鏡の回廊です。ここには357枚の鏡が飾られており、回廊を彩る金の装飾やクリスタルのシャンデリアの輝きを映し出します。また、鏡の回廊の天井にはルイ14世の歴史を物語る絵画がはめ込まれており、より一層の美しさを際立たせます。この回廊はジュール・アルドアン・マンサールにより設計され、1684年に完成しました。
ロイヤルオペラ
滞在中、ロイヤルオペラで行われるショーを観劇するのが一番のおすすめですが、もし難しい場合は、宮殿の見学中に足を運んでみてください。ベルサイユ宮殿の主要劇場であるロイヤルオペラは、1,200名の観客を収容可能。見事な音響と、絵画で美しく彩られた大理石と木材による設計が人々を魅了します。
王室礼拝堂
ルイ14世治世下に建設され、1710年に完成した王室礼拝堂は、ほかの建物よりも数メートル高いことで知られています。17世紀の著名な芸術家たちの作品が飾られたこの礼拝堂では、毎日礼拝が行われていたそうです。また、この美しい礼拝堂は、王太子ルイ16世とマリー・アントワネットの挙式など、様々な歴史的イベントの舞台ともなりました。
大居室群
大居室群は、国王と臣下たちが使用していた公共エリアです。大広間には、それぞれ神話に登場する神々の名前がつけられています。ここでは国王との謁見や祝い事が行われていたそうです。
大居室群の見所
- ヘラクレスの間
- ヴィーナスの間
- マルスの間
- ディアーヌの間
- メルクリウスの間
- アポロンの間
- 豊穣の間
- マーブルコート(大理石の内庭)
国王の私的居室群
国王の居室(またの名を国王の私的居室群)は、国王の居住空間として使われていた続き部屋です。それぞれの部屋はマーブルコートに面しており、宮殿でも最も古いエリアに位置しています。当時、各部屋はルイ14世の仕事場として使用されていたそうです。
国王の私的居室群の見所
- 玄関
- 国王の寝室
- 第1控え室
- 円窓の間
- 国王の大執務室
王妃の居室群
花柄のパターンとダスマク織の壁紙で女性らしい印象を与える居室群は、ベルサイユ宮殿の中でも柔らかな雰囲気を持つエリアです。精巧な家具が並ぶ居室では、歴代王妃たちが持つ影響力を感じられます。
王妃の居室群の見所
- 王妃の寝室
- 王妃付き貴人の間
- 大食卓の控えの間
- 衛兵の間
ベルサイユ庭園
ベルサイユにある庭園や敷地は、後に世界中の王宮の庭園に影響を与えました。ベルサイユ宮殿の西側にあるフランス式庭園はアンドレ・ル・ノートルにより設計・改修され、ベルサイユ宮殿の中でも高い人気を誇る名所となっています。花壇や小道、噴水、温室、絵画のような散歩道、木立、彫像をじっくりと見学しましょう。
その他の施設
時間に余裕があれば、宮殿内のその他のエリアやトリアノンの見学もおすすめです。ここでもやはりベルサイユ宮殿の地図を手に入れて、宮殿の複雑な見取り図や周辺エリアをしっかり把握しておきましょう。
ベルサイユのその他の見所
- 大トリアノン宮殿
- 小トリアノン宮殿
- 王妃の村里
- 愛の殿堂
- ラトナの噴水
- グランカナル
- 大厩舎
ベルサイユ宮殿の場所と開館時間
ベルサイユはパリ中心部から約24キロの位置にあります。宮殿や庭園があるエリアには個人の車のほか(敷地内に駐車場あり)、列車、バス、タクシーでアクセス可能。また、パリ中心部からベルサイユへは、RER C線も使用できます。列車から降りたら、ベルサイユ シャトー リヴ ゴーシュ駅からベルサイユ宮殿まで5分ほど歩く必要があります。
ベルサイユ宮殿の開館時間
ベルサイユ宮殿は月曜日を除き、毎日午前9時から午後5時30分まで開館しています。庭園は毎日午前8時から午後6時まで利用できます。トリアノンは午後のみの開館となり、正午から午後5時30分まで公開されます(月曜は閉館日)。
ベルサイユ宮殿のガイド付きツアー
ベルサイユ宮殿では、波乱に満ちた宮殿の歴史を学びたい訪問者のために、いくつかのツアーが用意されています。ガイド付きツアーはフランス語または英語で行われますが、訪問前にツアーの催行状況について確認しておきましょう。ツアーに必ず参加したいという人にはチケットの事前購入をおすすめします。
スプレンダラス ベルサイユ ツアーでは、鏡の回廊や国王の寝室など、宮殿内でも指折りの貴重なスポットを数多く見学できます。このガイド付きツアーは、1時間30分に渡ってベルサイユ宮殿の重要な見所を案内します。
国王の私的居室群ツアーは、ベルサイユ宮殿の本質に迫るツアーです。このツアーでは、通常ガイド付きツアーでしか立ち入ることのできない部屋や通路を見学でき、ルイ14世の書室やルイ15世の執務机なども見ることができます。国王の私的居室群を見たあとは、フランス王室の人々が豪華絢爛な私生活を送っていたことに疑問の念を抱くかもしれません。
ベルサイユ宮殿周辺でのショッピング
世界中から観光客を惹きつけるベルサイユ宮殿ですが、この地域には宮殿以外にも様々な魅力があるんです。中でも買い物好きの人々から人気を集めているのが、ベルサイユの公共市場として太陽王ルイ14世が建設したノートルダム市場。赤レンガの建物の中には、食品、チーズ、工芸品などを販売する店が軒を連ねています。ベルサイユ宮殿やトリアノンを見学したあとは、300年の歴史を誇るベルサイユ随一の市場を訪れてみましょう。
アンティーク好きならパサージュ デ ラ ゲオルのチェックもお忘れなく。この通りには、家具やアート、本などを売るアンティーク店が立ち並んでいます。
ベルサイユで人気のアンティーク店&蚤の市
- マルシェ オウ プース
- ル ロイ ソレイル アンティクイティーズ
- マルシェ ヴェセゾン
- マミ
- マルシェ デ ラ ガール
- ゲリソル
- ル ジュポン ルージュ
アンティーク店以外にも、ベルサイユ周辺にはデパートやお土産店など、買い物好きなら見逃せない店が数多く揃っています。パレ ロワイヤル庭園にあるお店も要チェックです。
宮殿やトリアノン周辺の店
- デュフォー パビリオン ショップ
- リブレリー デ プランセス ブック&ギフト ショップ
- ボワ シュッド ショップ
- チャペル スタンド
- ザ ガーデンズ ショップ
- ザ グラン トリアノン ショップ
ベルサイユ周辺の店やブティック
- プチバトー
- メゾン ファーブル
- ジョナト
- モノプリ
- デポ ヴァント
- シビット ロイヤル
- ル ポタジェ ル ロワ
- タイム&ローズマリー
- アンティニア
ベルサイユ付近のおすすめレストラン
ベルサイユで金や大理石の装飾を堪能したあとは、宮殿の周辺でフランスならではの食文化を楽しみましょう。このエリアには様々なカフェやビストロ、レストラン、高級食料品店などが揃っています。ベルサイユでは、家族向け、中級、高級と、それぞれの予算に合わせてレストランを選ぶことができます。もちろんフランス料理店が圧倒的に多いですが、国際的な料理を楽しめるお店もあります。
ベルサイユ周辺のおすすめレストラン
- オール
- オーベルジュ デ アーケード
- シェ ステフ
- ラ トゥール
- シェ ラザロ
- ラ ターブル デュ 11
- ニュアンス
- ル リムゾン
- ピッツァ ビア ヴェネト
- ラパス
- ラ セプタンブル
- カフェ マリオン
- ル パルナス
- ラ マンジェット
- ゴードン ラムゼイ オー トリアノン
- ラ ブション ドゥ マルシェ
- ル カレ アウ クレペ
- ノンドゥロワ タイ
ベルサイユで2~3時間のツアーを楽しんだあとは、デザートで締めくくりましょう。このエリアで購入できるペストリーや砂糖菓子は絶対に見逃せません!チョコレートクロワッサンからマカロンまで、甘い物好きにはたまらないラインナップです。
ベルサイユ周辺の洋菓子店
- ラデュレ
- メゾン ギノン
- ブーランジェリー パティスリー
- オ パン デ ラ フェーム
- ジュリエット
- ブーランジェリー ジュリアン
- ラトリエ ドントン
- ビゴ
- グランド カフェ ドルレアン
- アルト カフェ
ベルサイユ宮殿周辺での夜遊び
パリほどの選択肢はないものの、ベルサイユにも観光客が夜遊びを楽しめる上品なお店が揃っています。このエリアに1泊以上するならば、上述したレストランでディナーを楽しんだあと、バーやクラブなどの様々な夜遊びスポットに出かけてみましょう。1日目にベルサイユ宮殿、2日目にトリアノンを訪問する予定なら、ぜひ1日目の夜にベルサイユの町に繰り出してみてください。フレンドリーなパブから、ゆっくりと寛げる食堂まで、お好みの店が必ず見つかるはずです。
ベルサイユ周辺のバー・居酒屋・パブ・クラブ
- ブルドッグ バー ヴェルサイユ
- オーパリ
- ル ピローグ
- ビッグ ベン パブ
- ル バラド
- ラ ナセル
- エリオズ パブ
- ザ ライオンズ
- オー クラブ ディスコテク
- パチャ クラブ
- レ カーブ ドゥ ロワ ソレイユ
ベルサイユ周辺のその他のアクティビティ
ベルサイユ屈指の名所と言えば、もちろんベルサイユ宮殿ですが、宮殿や庭園の見学以外にも楽しめるアクティビティはたくさんあります。宮殿や庭園の見取り図をしっかり確認したあとは、ぜひ他のオプションも検討してみましょう。
ベルサイユで楽しめるアクティビティ
- ベルサイユ馬術アカデミーで馬術の実演を見学
- ロイヤルオペラでオペラやオーケストラの観劇
- 香りの中庭(クール デサ ントゥール)で香水をテーマとした博物館や店を散策
- グランカナル(ベルサイユ庭園にある十字型の大運河)でのボート遊び
- 街をお散歩しながら店やギャラリーでお買い物
ベルサイユ宮殿付近のホテルやアパートはこちらから
パリの街へ繰り出そう
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パリからベルサイユ宮殿を訪れるなら、絵画のように美しい宮殿や庭園を存分に満喫するためにも、まずはしっかり計画を立てましょう。ベルサイユはフランスでも指折りの観光名所であり、その歴史や文化が人気を集めています。とりわけ、世界で最も豪奢な宮殿の1つと言われるベルサイユ宮殿は、UNESCOの世界遺産にも登録されています。印象的な鏡の回廊や華やかなロイヤルオペラなど、ベルサイユにはパリ旅行のハイライトとも言うべき名所が揃っています。宮殿では2時間から4時間ほどのツアーも用意されていますが、宮殿内のほとんどの場所は自由に見学できます。
ベルサイユ宮殿の概要
ルーブル美術館やエッフェル塔とともに、北フランスで観光客の人気を集めるベルサイユ宮殿。毎年700万人以上の人々が訪れる絢爛華麗なベルサイユ宮殿はパリの西部に位置し、パリ中心部からわずか24キロという近さにあります。富裕の象徴でもあり、時には王室の軽佻浮薄さや退廃性を示すとも言われるこの宮殿には、フランス王ルイ14世に関する数多くの逸話が残されています。ルイ14世による幾度もの改装を経て豪華さを増した宮殿は、後に王位を剥奪されたルイ16世や、その王妃マリー・アントワネットなど、フランスの歴代国王たちの住まいとなりました。
フランス語ではシャトー ド ベルサイユと呼ばれるこの宮殿は、庭園も含めると800ヘクタールという広さを持ちます。また、訪問者の多くは、ルイ14世治世下に宮殿の一部として使用され、現在では独立した観光スポットとなっているトリアノンにも足を運びます。かつてフランスにおける権力の象徴だったベルサイユ宮殿は、今日では博物館としてフランスの歴史を後世に伝える役目を担っています。ベルサイユ宮殿を訪れたら、美しいシャンデリアが印象的な鏡の回廊、ロイヤルオペラ、マーブルコート、礼拝堂をはじめ、噴水や彫像、植物で彩られた庭園をじっくり見学しましょう。
ベルサイユの歴史
その昔、ベルサイユには小さな村や教会しかありませんでしたが、1589年にフランス国王のアンリ4世がこの地域を訪問し、その後も何度か動物たちが豊富にいるベルサイユで狩りを楽しみました。そして、彼の息子もベルサイユでの狩りを気に入り、即位後に狩猟小屋を建てました。ちなみに現在のマーブルコートは、ルイ13世によって、もともとその狩猟小屋があった場所に作られました。その後、国王は政治的かつ個人的な理由により狩猟小屋を宮殿に建て直すことを決断し、1634年に宮殿が完成しました。
1661年、国王ルイ14世は自身の娯楽のため、そしてせわしないパリから逃れて休息するため、宮殿とその一体の大幅な増改築を決意。その後、ルイ14世はフランス政府と裁判所をベルサイユの地へ移転させました。宮殿内の鏡の回廊を建設したのもルイ14世であると言われています。なお、ロイヤルオペラを作ったのはルイ15世です。
ベルサイユ宮殿を住まいとした最後の王族となったのが、ルイ16世とマリー・アントワネットです。アントワネットは、夫から与えられた小トリアノン宮殿を何度も改装し、庭園に村里まで作りました。現在、この庭園は王妃の村里として知られています。その後のフランス革命で夫婦はベルサイユ宮殿を追われ、最後は処刑されてしまいます。以来、ナポレオン・ボナパルトを含むその後の国王たちは、ベルサイユ宮殿の改築に多額の費用がかかるという理由から宮殿に住むことはありませんでした。時を経て、ベルサイユ宮殿は博物館として生まれ変わったのです。
ベルサイユ宮殿のハイライト
ベルサイユの魅力を満喫するには1日以上の滞在がおすすめですが、時間が限られている場合は、絶対に見逃せない観光スポットだけはしっかりチェックしたいもの。ベルサイユ宮殿に到着したら、まずは宮殿と庭園の地図を手に入れて、ベルサイユ宮殿のハイライトとなる場所を確認しましょう。
鏡の回廊
ベルサイユ宮殿の全ての部屋の中で最も有名だと思われるのが、鏡の回廊です。ここには357枚の鏡が飾られており、回廊を彩る金の装飾やクリスタルのシャンデリアの輝きを映し出します。また、鏡の回廊の天井にはルイ14世の歴史を物語る絵画がはめ込まれており、より一層の美しさを際立たせます。この回廊はジュール・アルドアン・マンサールにより設計され、1684年に完成しました。
ロイヤルオペラ
滞在中、ロイヤルオペラで行われるショーを観劇するのが一番のおすすめですが、もし難しい場合は、宮殿の見学中に足を運んでみてください。ベルサイユ宮殿の主要劇場であるロイヤルオペラは、1,200名の観客を収容可能。見事な音響と、絵画で美しく彩られた大理石と木材による設計が人々を魅了します。
王室礼拝堂
ルイ14世治世下に建設され、1710年に完成した王室礼拝堂は、ほかの建物よりも数メートル高いことで知られています。17世紀の著名な芸術家たちの作品が飾られたこの礼拝堂では、毎日礼拝が行われていたそうです。また、この美しい礼拝堂は、王太子ルイ16世とマリー・アントワネットの挙式など、様々な歴史的イベントの舞台ともなりました。
大居室群
大居室群は、国王と臣下たちが使用していた公共エリアです。大広間には、それぞれ神話に登場する神々の名前がつけられています。ここでは国王との謁見や祝い事が行われていたそうです。
大居室群の見所
- ヘラクレスの間
- ヴィーナスの間
- マルスの間
- ディアーヌの間
- メルクリウスの間
- アポロンの間
- 豊穣の間
- マーブルコート(大理石の内庭)
国王の私的居室群
国王の居室(またの名を国王の私的居室群)は、国王の居住空間として使われていた続き部屋です。それぞれの部屋はマーブルコートに面しており、宮殿でも最も古いエリアに位置しています。当時、各部屋はルイ14世の仕事場として使用されていたそうです。
国王の私的居室群の見所
- 玄関
- 国王の寝室
- 第1控え室
- 円窓の間
- 国王の大執務室
王妃の居室群
花柄のパターンとダスマク織の壁紙で女性らしい印象を与える居室群は、ベルサイユ宮殿の中でも柔らかな雰囲気を持つエリアです。精巧な家具が並ぶ居室では、歴代王妃たちが持つ影響力を感じられます。
王妃の居室群の見所
- 王妃の寝室
- 王妃付き貴人の間
- 大食卓の控えの間
- 衛兵の間
ベルサイユ庭園
ベルサイユにある庭園や敷地は、後に世界中の王宮の庭園に影響を与えました。ベルサイユ宮殿の西側にあるフランス式庭園はアンドレ・ル・ノートルにより設計・改修され、ベルサイユ宮殿の中でも高い人気を誇る名所となっています。花壇や小道、噴水、温室、絵画のような散歩道、木立、彫像をじっくりと見学しましょう。
その他の施設
時間に余裕があれば、宮殿内のその他のエリアやトリアノンの見学もおすすめです。ここでもやはりベルサイユ宮殿の地図を手に入れて、宮殿の複雑な見取り図や周辺エリアをしっかり把握しておきましょう。
ベルサイユのその他の見所
- 大トリアノン宮殿
- 小トリアノン宮殿
- 王妃の村里
- 愛の殿堂
- ラトナの噴水
- グランカナル
- 大厩舎
ベルサイユ宮殿の場所と開館時間
ベルサイユはパリ中心部から約24キロの位置にあります。宮殿や庭園があるエリアには個人の車のほか(敷地内に駐車場あり)、列車、バス、タクシーでアクセス可能。また、パリ中心部からベルサイユへは、RER C線も使用できます。列車から降りたら、ベルサイユ シャトー リヴ ゴーシュ駅からベルサイユ宮殿まで5分ほど歩く必要があります。
ベルサイユ宮殿の開館時間
ベルサイユ宮殿は月曜日を除き、毎日午前9時から午後5時30分まで開館しています。庭園は毎日午前8時から午後6時まで利用できます。トリアノンは午後のみの開館となり、正午から午後5時30分まで公開されます(月曜は閉館日)。
ベルサイユ宮殿のガイド付きツアー
ベルサイユ宮殿では、波乱に満ちた宮殿の歴史を学びたい訪問者のために、いくつかのツアーが用意されています。ガイド付きツアーはフランス語または英語で行われますが、訪問前にツアーの催行状況について確認しておきましょう。ツアーに必ず参加したいという人にはチケットの事前購入をおすすめします。
スプレンダラス ベルサイユ ツアーでは、鏡の回廊や国王の寝室など、宮殿内でも指折りの貴重なスポットを数多く見学できます。このガイド付きツアーは、1時間30分に渡ってベルサイユ宮殿の重要な見所を案内します。
国王の私的居室群ツアーは、ベルサイユ宮殿の本質に迫るツアーです。このツアーでは、通常ガイド付きツアーでしか立ち入ることのできない部屋や通路を見学でき、ルイ14世の書室やルイ15世の執務机なども見ることができます。国王の私的居室群を見たあとは、フランス王室の人々が豪華絢爛な私生活を送っていたことに疑問の念を抱くかもしれません。
ベルサイユ宮殿周辺でのショッピング
世界中から観光客を惹きつけるベルサイユ宮殿ですが、この地域には宮殿以外にも様々な魅力があるんです。中でも買い物好きの人々から人気を集めているのが、ベルサイユの公共市場として太陽王ルイ14世が建設したノートルダム市場。赤レンガの建物の中には、食品、チーズ、工芸品などを販売する店が軒を連ねています。ベルサイユ宮殿やトリアノンを見学したあとは、300年の歴史を誇るベルサイユ随一の市場を訪れてみましょう。
アンティーク好きならパサージュ デ ラ ゲオルのチェックもお忘れなく。この通りには、家具やアート、本などを売るアンティーク店が立ち並んでいます。
ベルサイユで人気のアンティーク店&蚤の市
- マルシェ オウ プース
- ル ロイ ソレイル アンティクイティーズ
- マルシェ ヴェセゾン
- マミ
- マルシェ デ ラ ガール
- ゲリソル
- ル ジュポン ルージュ
アンティーク店以外にも、ベルサイユ周辺にはデパートやお土産店など、買い物好きなら見逃せない店が数多く揃っています。パレ ロワイヤル庭園にあるお店も要チェックです。
宮殿やトリアノン周辺の店
- デュフォー パビリオン ショップ
- リブレリー デ プランセス ブック&ギフト ショップ
- ボワ シュッド ショップ
- チャペル スタンド
- ザ ガーデンズ ショップ
- ザ グラン トリアノン ショップ
ベルサイユ周辺の店やブティック
- プチバトー
- メゾン ファーブル
- ジョナト
- モノプリ
- デポ ヴァント
- シビット ロイヤル
- ル ポタジェ ル ロワ
- タイム&ローズマリー
- アンティニア
ベルサイユ付近のおすすめレストラン
ベルサイユで金や大理石の装飾を堪能したあとは、宮殿の周辺でフランスならではの食文化を楽しみましょう。このエリアには様々なカフェやビストロ、レストラン、高級食料品店などが揃っています。ベルサイユでは、家族向け、中級、高級と、それぞれの予算に合わせてレストランを選ぶことができます。もちろんフランス料理店が圧倒的に多いですが、国際的な料理を楽しめるお店もあります。
ベルサイユ周辺のおすすめレストラン
- オール
- オーベルジュ デ アーケード
- シェ ステフ
- ラ トゥール
- シェ ラザロ
- ラ ターブル デュ 11
- ニュアンス
- ル リムゾン
- ピッツァ ビア ヴェネト
- ラパス
- ラ セプタンブル
- カフェ マリオン
- ル パルナス
- ラ マンジェット
- ゴードン ラムゼイ オー トリアノン
- ラ ブション ドゥ マルシェ
- ル カレ アウ クレペ
- ノンドゥロワ タイ
ベルサイユで2~3時間のツアーを楽しんだあとは、デザートで締めくくりましょう。このエリアで購入できるペストリーや砂糖菓子は絶対に見逃せません!チョコレートクロワッサンからマカロンまで、甘い物好きにはたまらないラインナップです。
ベルサイユ周辺の洋菓子店
- ラデュレ
- メゾン ギノン
- ブーランジェリー パティスリー
- オ パン デ ラ フェーム
- ジュリエット
- ブーランジェリー ジュリアン
- ラトリエ ドントン
- ビゴ
- グランド カフェ ドルレアン
- アルト カフェ
ベルサイユ宮殿周辺での夜遊び
パリほどの選択肢はないものの、ベルサイユにも観光客が夜遊びを楽しめる上品なお店が揃っています。このエリアに1泊以上するならば、上述したレストランでディナーを楽しんだあと、バーやクラブなどの様々な夜遊びスポットに出かけてみましょう。1日目にベルサイユ宮殿、2日目にトリアノンを訪問する予定なら、ぜひ1日目の夜にベルサイユの町に繰り出してみてください。フレンドリーなパブから、ゆっくりと寛げる食堂まで、お好みの店が必ず見つかるはずです。
ベルサイユ周辺のバー・居酒屋・パブ・クラブ
- ブルドッグ バー ヴェルサイユ
- オーパリ
- ル ピローグ
- ビッグ ベン パブ
- ル バラド
- ラ ナセル
- エリオズ パブ
- ザ ライオンズ
- オー クラブ ディスコテク
- パチャ クラブ
- レ カーブ ドゥ ロワ ソレイユ
ベルサイユ周辺のその他のアクティビティ
ベルサイユ屈指の名所と言えば、もちろんベルサイユ宮殿ですが、宮殿や庭園の見学以外にも楽しめるアクティビティはたくさんあります。宮殿や庭園の見取り図をしっかり確認したあとは、ぜひ他のオプションも検討してみましょう。
ベルサイユで楽しめるアクティビティ
- ベルサイユ馬術アカデミーで馬術の実演を見学
- ロイヤルオペラでオペラやオーケストラの観劇
- 香りの中庭(クール デサ ントゥール)で香水をテーマとした博物館や店を散策
- グランカナル(ベルサイユ庭園にある十字型の大運河)でのボート遊び
- 街をお散歩しながら店やギャラリーでお買い物
ベルサイユ宮殿付近のホテルやアパートはこちらから
パリの街へ繰り出そう
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