ラオスのエコツーリズム関連の人気スポットと、エコフレンドリーなホテル & 宿泊施設

ラオスならではのエコツーリズムを実践しながらも、一生の思い出に残るような休暇を楽しめる、環境に優しい旅を計画してみませんか？ 世界屈指の素晴らしい風景と、旅行者を温かく迎え入れるフレンドリーな人々に恵まれた、魅力いっぱいのラオス。この国では、観光客にまだあまり知られていないスポットや、ラオス独自の文化を探索できます。 パークセー近郊のジャングル トレッキング、ルアンプラバーン近郊のメコン川下り、ルアンナムタ県の村々で地元の人と一緒に楽しむ郷土料理など、さまざまなアクティビティに参加しながら、自然に対する責任に向き合いましょう。 今回は、ラオスでサステナブルな旅の体験を楽しむためのさまざまなヒントをご紹介します。

ラオスでエコツーリズムを体験する – 自然に対する責任を学ぼう

近年、エコツーリズムという言葉は、環境保護のために必要な取り組みというよりも、むしろマーケティングを目的としたキャッチフレーズとして使われることが多いようです。 では、エコツーリズムとは何なのでしょうか？そしてラオスでエコツーリズムを実践するにはどうすればいいのでしょう？ エコツーリズムとは、旅行者が目的地に到着するための移動方法から、現地での行動、そして旅を終えて家に戻るまで、ツーリズムにおけるすべての段階を包括するものです。 地域に根ざしたエコツーリズムは、旅行者が現地の文化を体験しながら、より大きな目的に貢献できます。 一般的に、真のエコツーリズム体験とは、環境への影響を最小限に抑えて、地元の環境プロジェクトやコミュニティプロジェクトを経済的にサポートし、環境や文化に関する見識を深められる体験であり、あらゆる旅行者が手軽に利用できるべきものです。 本格的なエコツーリズムが行われているエリアを旅の拠点にすることで、より充実した旅行を楽しめます。そして、こうしたエコツーリズムを体験できるスポットがラオスには多数あります。

ラオスの生態系に貢献する保護プロジェクト

これまでラオスは、森林伐採をはじめ、野生動物や伝統的な医薬品に対する海外からの需要と何年も闘ってきました。こうした事情を経て、ラオスは自然と生物多様性の資産、とりわけ国の中心を流れる1,180マイルのメコン川を保全するために、真剣に取り組むようになりました。 近年、ラオス政府は地元の人々と協力して、ラオスで最も貴重なランドマーク、自然地域、絶滅危惧種の維持と持続可能性を確保するために、野生生物と環境の保護に関するイニシアチブを策定しました。 こうしたイニシアチブでは、健全な森林と地域社会、そして野生生物の取引停止と水路の保護に重点が置かれています。 ラオスで最も有名な保護プロジェクトには、タイ北部との国境にあるラオス西部のエレファント コンサベーション センターと、さらに北部のボケオ県に所在するボケオ自然保護区のギボン エクスペリエンスがあります。

エレファント コンサベーション センター（サイニャブーリー県）

ルアンプラバーンから2時間半ほど離れたナムティエン貯水池のほとりにある、2010年に設立されたサイニャブーリー県のエレファント コンサベーション センターは、ゾウを保護してリハビリ後に野生に戻すことを目的とした、ラオスで唯一の保護施設です。 この施設は研究センターの一部として建設されました。ゾウとその生息環境についてより深く学ぶために、学生は最大2週間、キャンパスに滞在することもできます。 ボランティアたちはゾウとの散歩、博物館での保護センターに関する学習、ゾウのための病院への訪問、ゾウの繁殖と訓練に関する学習コースへの参加などを行えます。

ボケオ自然保護区でトレッキングを楽しむ

世界一高いツリーハウスを飛び回りながら、世界の環境保護について考えるというユニークな体験を楽しんでみませんか？ ギボン エクスペリエンスでは、小さなテナガザルたちが生息する森の上をジップラインで駆け抜ける、スリル満点のエコツーリズムを体験できます。 かつて、ラオスの美しい木々を切り倒す伐採業者に辟易していた地元の人々が、愛する森を守るために設立したのが、このギボン エクスペリエンスです。 1996年のオープン以来、観光客の間で一躍人気となり、現在はラオス北部の保護区であるナムカン国立公園の設立にも貢献しました。 ギボン エクスペリエンスに参加する旅行者は、自然地域の保護に貢献するだけでなく、そこで働く120人以上の地元の人々の暮らしにも貢献しているのです。

ラオスのエコフレンドリーなホテル – サステナブルな滞在

ラオスで宿泊施設やホテルを経営するホストやオーナーたちにとっても、今やエコツーリズムという考え方は重要なもの。そのため、ラオスでは、環境に優しいホテルやリゾートが人気を集めています。 サステナブルな宿泊施設、エコフレンドリーなホテル、ラグジュアリーなウォーターフロント リゾート、そして環境保護やホスピタリティの双方に重点を置いた素朴なバックパッカー向けのホステルなど、さまざまなオプションから選択できます。 ここからは、ラオスのエコフレンドリーなホテルやサステナブルな宿泊施設の一部をご紹介します。

ザ リバー リゾート（チャンパーサック）

パークセー近郊にあるザ リバー リゾートは、メコン川のほとりに位置するデラックスな宿泊施設。ラグジュアリーでありながらも、お手軽な価格で宿泊できます。 この5つ星リゾートで働くスタッフは、そのほとんどが地元の農民や村民。ホテルが所有するオーガニックの水田や菜園の管理を行っています。 客室内の調度品のほとんどに天然の竹を採用。キッチンで使用される電力は太陽光発電によってまかなわれています。 受賞歴のあるこのホテルでは、文化的な体験、リバーサイドのレストランでの食事、インフィニティプールでの水遊びを楽しめるほか、リバーフロントや池に面したヴィラからリバーボートの旅に繰り出すこともできますよ。

ルアンパバーン ビュー ホテル（ルアンパバーン）

ルアンパバーン ビュー ホテルは、客室のバルコニーからラオスの素晴らしい田園の風景と歴史ある首都を一望できる、ルアンパバーンのホテル。 4.5つ星を獲得している高級リゾートであり、プールやバーを併設しているほか、1日2回のハッピーアワーも楽しめます。 ラグジュアリーな客室、フルサービスのスパ、バレーパーキング、素晴らしいスタッフなど、充実した宿泊を体験しましょう。

カム ロッジ（ルアンパバーン）

ルアンパバーンのカム ロッジは、手頃な価格で素晴らしい景色を一望できる、サステナブルなプライベートの宿泊施設をお探しの旅行者にぴったりです。 このテント式ロッジはメコン川のほとりにあり、オールインクルーシブのサービスを提供。ロッジには専用ボートでアクセスします。 無料の朝食、屋上テラス、館内レストランとバーを満喫しながら、ゆったりとした旅の時間をお楽しみください。

キングフィッシャー ロッジ（パークセー）

パークセーから南へわずか40分の場所にあるのが、ラオスで最も美しい湿地帯に佇むエコスタイルのブティックリゾート。 セピアン国立生物多様性保護区の端に位置しており、16の客室、敷地内のプール、レストランを提供しています。 キングフィッシャー ロッジは3つ星を獲得しており、バン キット ゴンという村に所在しています。

ラオスの国立公園 & エコツーリズムで自然の宝庫を探索

ラオスの国立公園や保護林でもエコツーリズムを体験できます。 ラオスが誇る自然保護区、人里離れた村々、ジャングルに足を伸ばせば、さまざまな生物多様性を学べるはず。 原生林をトレッキングしながら、他では見られない動植物を写真に収めましょう。フレンドリーなラオス人との交流や、滝のそばでゆっくりと休憩するのもおすすめです。 こうした国立公園は、ラオスでのエコツーリズムにおける最大の見どころとも言えます。

ナムハ国立保護地域

なだらかな農地が広がり、山の斜面に村が点在するナムハ国立保護地域は、エコツーリストの間でも人気のエリア。 この国立保護地域は、ラオスのはるか北部に位置するルアンナムタ県の一部であり、ミャンマーと中国の国境に接しているため、豊かで多様な文化が育まれています。 緑が生い茂る森林と乾燥した草原が地形の大半を占めており、縦横無尽に川や小川が流れています。 このエリアには、ウンピョウやアジアゾウなどの絶滅危惧種が生息しています。 さらに、マレーヒグマ、イノシシ、トラをはじめ、300種以上の鳥類も、このエリアを棲家としています。 ナムハ国立保護地域でのトレッキング中には、森林に点在する25もの村々に暮らす地元の人々とも出会えるかもしれません。 このエリアに住む住民たちは、森の管理や維持のために重要な役割を果たしています。 一人旅から家族連れまで、ナムハ国立保護地域でさまざまな旅の楽しみを満喫しましょう。 遊び場、テニスコート、バレーボールコート、ピクニックテーブル、バーベキューグリル、公衆トイレなど、さまざまな施設も利用できますよ。

プー カオ クアイ国立公園（ヴィエンチャン近郊）

ヴィエンチャンからわずか1時間半でアクセスできるプー カオ クアイ国立公園は、充実した休暇に欠かせないアウトドアアクティビティや宿泊施設をすべて備えているスポット。 公園内には滝、川、湖があり、水泳、カヤック、水辺でのリラックスに最適です。 自然遊歩道では、絶滅危惧種の鳥をはじめ、トラ、ゾウ、テナガザルなどの野生動物と出会えるかもしれません。

ヒン ナムノ国立公園

ラオス東部の国境付近にある国立公園。規模こそ小さいものの、歴史ある美しい園内で散策を楽しめます。 2020年にオープンという、国内で最も新しい公園は、トレッキング好きの人にはとりわけおすすめ。さらには、ラオス初となる世界自然遺産に選ばれる可能性を秘めています。 ベトナムとの国境付近にあり、熱帯林に囲まれた石灰岩の高原で構成されています。ちなみに、この熱帯林を徹底的に歩いたトレッカーはまだあまりいないそうです。

ナカイ ナム トゥン国立公園

ラオス中東部にあるナカイ ナム トゥン国立公園で、インドシナ最大級の連続した森林をハイキングしてみませんか？ 世界有数の生物多様性を誇るこのエリアでは、絶滅危惧種や手付かずの地形を見学できます。広大な原生地域での探索をお楽しみください。 お隣のベトナムや近隣のジャングルを一望できるアンナマイト山での登山や、ナカイ高原でのホオジロガモの見学なども体験できます。 古代のジャングルを流れる川沿いには浅瀬や滝があるため、そこでテントを張ってキャンプを楽しむこともできますよ。

ドン ファ サオ国立自然保護区

かつて漁業と湿地の乱用によって危機に瀕したドン ファ サオ国立自然保護区は、ジャングルでのトレッキングや森林浴を愛する人々にはたまらない自然景観を楽しめます。 この地域で自然資源を荒らし回った猟師、農民、漁師の姿はもう見られませんが、その代わりに、在来種のサルや珍しいサイチョウ、さらには幸せに暮らす蝶々に出会えるでしょう。 ドン ファ サオ国立自然保護区は、ラオス南部のパークセーから車で30分です。

環境に優しいツアー

ラオスでは、どの都市を訪れてもさまざまな現地ツアーが開催されています。 コミュニティツーリズムを支援したいなら、オンラインで評判のいいガイドを見つけられますが、質の高いエコツーリズムを体験したいなら、やはり地元の人に聞くのが一番。 ホテルのスタッフや店のオーナーは、責任感のあるツアーガイドを知っていることが多いので、予約方法に関して最善のアドバイスを提供してくれるはずです。 さらに、サステイナブルツアーの多くは、その場でツアーを予約できるようにデザインされているため、事前予約はほとんど必要ありません。 サステナブルツアーを主催する会社の中には、トレッキング、マウンテンバイク、ロッククライミングなどのアドベンチャースポーツを専門とする会社もあれば、自然観察ハイキング、カヤック、バードウォッチング、キャンプなどを含む、よりのんびりとしたエコツアーを提供する会社もあります。 ラオスのエコツーリズムでは、メコン川を下るボートツアーも人気です。

ラオスで責任感を持った旅を楽しむには

エコトラベラーであれば、旅行が環境に対してどれほどの影響を与えるのかよくご存じでしょう。ここでは、より環境に優しいラオス旅行を計画するための具体的な方法をご紹介します。 何世紀もの歴史を持つラオスのランドマークを訪問する際には、こうした名所を今後も長く保全していくために、次のような行動を心がけましょう。

• 歩く場所に気をつけましょう。 トレッキングコースや指定されたコースを歩きましょう。
• 地元の人に対して親切にしましょう。 旅行者は、地元の人々が日々暮らす場所にお邪魔しています。 住民の皆さんに敬意を払うことが大事です。 彼らの村で一泊しましょう。
• 環境への影響を軽減するためのサステナブルな取り組みを実施している「Travelife」認定ホテルを選びましょう。
• 地元の郷土品、手工芸品、製品を購入して、地元の経済をサポートしましょう。
• ツアー料金を値切らないようにしましょう。 ツアーに参加することで、彼らの生活をサポートできます。
• 歴史ある建築物の上には登らないでください。
• 地元の人（特に子供）の写真を撮るときは、事前に承諾を得ましょう。

地域社会を支える： サステナブルな旅の核心

ラオスのツーリズム産業は、この国の経済の約15％、雇用の約13％を牽引しており、なかでも地域密着型の観光業はこれらの数字において大きな割合を占めています。 ホテル、地元のレストラン、交通機関、エンターテイメントで消費する旅行者は、地方の雇用を創出し、十分なサービスを受けられない地方における貧困との戦いをサポートしているのです。 ツーリズム産業のおかげで遺産や保護林が設立され、皮肉にもラオスのより多くの自然資源が保護されることにも繋がっています。 ここでは、旅行者がサステナブルな旅を促進して、ラオスのエコツーリズムを支援できるスポットをいくつかご紹介します。

• ギボン エクスペリエンス（ボケオ州）
• バン ナヤン タイ テキスタイル ヴィレッジ（ルアンプラバーン）
• エレファント コンサベーション センター（サイニャブーリー県）
• タッドロー村（ボーラウェン高原）
• TAEC（伝統芸術民族学センター）ツアー（ルアンプラバーン）
• ヴァンヴィエン オーガニック ファーム